稽古場仕込み
今日から広い稽古場が使えるようになったため、私たちは舞台監督さんたちと一緒に移動先の稽古場の仕込みを行った。今回行ったのは、役者さんが稽古場を使いやすくするために、床に舞台の幅や役者さんの立ち位置の目印をつける作業だ。
稽古場の中心を取り、水糸で目安を作り、テープを貼る。この作業を「バミリ」と言う。台風一過で少し暑い稽古場の中、舞台監督さんたちは手際よく、稽古場の中に仮想の舞台を作っていく。一見地味な作業だが、稽古をスムーズに進め、照明や舞台美術の位置を決めていくためにはとても大事な作業だ。普段、観客として舞台を観るときは役者さんや演出家さんに目が行きがちだが、こうして創作の過程を見せていただいていると、そこではたくさんのスタッフさんが舞台を支えていて、演出家さん、役者さん、スタッフさんがお互いに影響を与え合いながら作品ができていくのだと実感する。
本作に関わるスタッフさんは、柴さんが今まで関わったことのない人たちが多い。柴さん自身が全てコントロールできない中で作品を作っていくという、実験でもあるそうだ。今回集まった人たちは柴さんの脚本にどんな影響を与えていくのか、完成が楽しみだ。
フェスティバル/トーキョー17主催プログラム
『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』
作・演出 柴 幸男
同じ時間、二つの場所で紡がれる物語。隣にいても遠い「距離」から見わたす未来
2017年10月7日[土]- 15日[日]
東京芸術劇場 シアターイースト/シアターウエスト
詳細、チケットの購入はF/T公式ホームページへ