音
9月もあっという間で、『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の稽古も始まってからはや1ヶ月。家から稽古場まで向かうプチ長旅も板についてきました。それにいつの間にか、稽古終わりには外が真っ暗になるようになって、秋を感じます。
最近稽古場がちょっと広くなって、道具も入って、舞台の形がだんだん見えてきました。ひとつの稽古場の両サイドでイースト、ウエストを同時に通してみたり、キャストさんを入れ替えて見たり、2劇場同時上演っぽくもなってきました。柯智 豪 -Blaire KO-さん提供の音楽もどんどん流すようになって柴さんもマイクを使って話すことが少し増えました。最近の稽古場では戯曲に書いたものを音にはめてゆく作業が多くて、秒単位でセリフのタイミングを確認します。柴さんが書いたセリフを、キャストさんが読んで立ち上げて、それが音楽に気持ちよくはまらない時は柴さんが音楽に合わせて言葉を選びなおしたり、組み直したりしているから、まるで柴さんの書いたものを、キャストのみなさんと柯智 豪さんが共同編集しているようでそれもとても面白いです。
そんな稽古場でのわたしの最近の一番の疑問は、どうやって覚えているのだろう・・・です。1劇場分でもすごい量なのに2劇場分のセリフや動きのきっかけは情報の大氾濫です。色々なところが稽古でどんどん変わってゆくのだけれど、わたしには全く覚えきれません。わたしも変わってゆくところを目撃しているはずなのだけれど・・・。スタッフ、キャストのみなさん、きっと頭と身体をフル回転で臨んでいるからか、最近稽古場に設置してあるお菓子ブースの甘いものの売れ行きがとても良い気がします。頭を使う時には糖分が大切というのはあながち間違いではなさそうです。稽古も佳境だけれど、これからもしっかり糖分を糧に『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』の秋、素敵な秋にしたいです。
フェスティバル/トーキョー17主催プログラム
『わたしが悲しくないのはあなたが遠いから』
作・演出 柴 幸男
同じ時間、二つの場所で紡がれる物語。隣にいても遠い「距離」から見わたす未来
2017年10月7日[土]- 15日[日]
東京芸術劇場 シアターイースト/シアターウエスト
詳細、チケットの購入はF/T公式ホームページへ